「自殺願望」「うつ病」など精神病を克服した症例を紹介します。
気を使い過ぎたり、考え(悩み)過ぎたり、取り越し苦労といった、心の持ち方によるストレスにより精神的に行き詰まると、持って生まれた体質によっては筋肉を緊張させる「交感神経」が過剰になり、骨盤、鎖骨の関節に亜脱臼が起きます。
このため身体全体が歪み、血液循環と身体をリラックスさせる副交感神経が障害を受けるように成ると様々な症状が現れてきます。
うつ的傾向や引きこもりの疾患に陥っている方の身体を診ると、全ての方が「骨盤が歪み、肩、首、背中の筋緊張」が異常にひどく感じます。
この時点で、休養を取り、精神的緊張を和らげる事ができれば一過性の症状で治まりますが、そのようなこととは知識がなければ分かりませんから、我慢して苦悩しながら仕事や勉強などをしていると症状は悪化してゆきます。
次の写真を見てください。
この方は以前「椎間板ヘルニア」の痛みで通っていた方ですが、精神疾患を患い入院している中で、腰痛に見舞われ当センターに「外出」を願い出して、家族が連れてきました。

この方も大きく骨盤が歪んでいます。
正面、背面写真を見ると左肩が大きく下がっていますから、背骨がS字状に大きく歪んでいるということです。
骨盤を見ると右側が上がり、右足が短くなっています。
骨盤の下の写真は施術後、骨盤を正した写真です。
現代医学には「体の歪み」を診る診断法は存在していませんから、精神疾患であれば「薬物療法」が唯一の治療法です。
それでは精神疾患を克服することは至難のことと経験から感じます。
この方にも「薬だけでは乗り越えられません」と話しましたが、すでに理解する思考は存在していませんでした。
家族にも話しましたが、理解してもらえませんでした。
ここで大切なことは、精神疾患は「家族」がその気にならなければ、どうすることもできないということです。
お二人の精神疾患を克服した症例を紹介します。
「自殺願望を乗り越えて」
Oさん31歳は平成18年職場の配置転換により、一人の仕事から、二人一組の仕事に変わった事から、反りの合わない対人関係に悩み、また、仕事も残業が続き次第に各種症状が発現してきました。
12月頃から「めまい・立ちくらみ・体がだるい・朝起きられない・肩こり・便秘・イライラ・ヒステリー・不安感・頭痛・動悸・吐き気・胃が重い」などの症状に徐々に見舞われるように、翌年2月には「死にたい」という願望が強くなったことから、これは異常だと思い総合病院の精神科を受診して「うつ病」と診断されました。
薬は5種類を処方され服用する事で自殺願望は薄らぎますが、完全には消えませんから、不安感で薬はきちんと服用したそうです。
職場は半年間、半日勤務をお願いして療養しましたが、症状は一進一退を繰り返し20年1月には症状が悪化して1ヶ月療養休暇を取りました。
薬が強いと昼間眠くて仕事に支障が出るので、薬の量を減らしてもみたそうですが、減らすと症状が悪化するので我慢して規定量服用したそうです。
21年1月再び症状が悪化して「自殺願望」が強く出たことから会社を1ヶ月間休職します。
家族も「自殺願望」があるため母親がつききりで監視しているなかで、今回は症状の改善が芳しくなく悩んでいると、親戚から西洋医学の手当でなく、自然療法を受けてみたらどうかと、当センターを紹介されて平成21年2月17日に、母親と一緒に来られました。
Oさんの身体を診ると、骨盤と鎖骨がゆがみ、腹部、肩、首、背中が異常に緊張していました。
服用している薬は5種類ですが副作用を見てください。
*セパゾン0.5錠〔抗不安剤〕・・眠気、めまい、頭痛、焦燥感、健忘症、黄疸、肝機能低下、低血圧、吐き気、食欲不振、口の渇き、便秘、腹痛、腹部の不快感、脱力倦怠感、動悸、立ちくらみ、発疹、かゆみ、浮腫、白血球減少、貧血、発汗、尿失禁、意欲減退など(まだありますが省略)
- リスミー1錠〔催眠鎮静剤〕・・同上のほか、血圧低下、顔の浮腫み、頭重感など
- リバロ1錠〔コレステロール阻害薬〕・・脱力感、便秘、胃部不快感、頭痛、不眠、しびれ、動悸など
- ジェイゾロフト3錠〔向精神剤〕・・セパゾンと類似した副作用(この薬は暴力などの攻撃性が指摘されています)
- アビリット〔向精神剤〕・・セパゾンと類似以外、月経異常、体重増加減少、腰痛、排尿障害、頻尿、呼吸困難貧血・使用に注意が必要な人・自殺願望
これらの薬の副作用は、Oさんが発症した時の症状と合致する物が多くあることにも驚きますが、体調不良に陥る副作用が顕著ですから、薬を長期にわたり服用していると、精神面のみならず肉体もボロボロに侵されて、本当の病人になってしまうのではないでしょうか。
Oさんは薬の副作用と同じ症状が沢山あることに驚き、徐々に薬を減らし、お母さんが付き添い、2週間連続で私の手当てを受けることで職場復帰を果たしました。
薬を止めたことで、服用中止まっていた生理(アビリットの副作用)が戻り、自殺願望が消え、起床する時、こんなにも頭の中が爽やかなことに驚いたと語ってくれました。
その後は月に2回の手当てを受けているのみで、元気に生活が出来るようになり、6月には「二年間ずっと低空飛行を続けてきたので気晴らしに」海外旅行にも行って来たそうです。
元気になったOさんに「自殺願望」について伺いました。死ぬと言う事がまったく怖くなくなるというのです。
そして「死にたい死にたい」どうやって死のうかと言う事ばかりを考えてしまうのですが、自分ではどうする事もできない精神状態になるそうです。
そして、私の手当を受けている中で「死ぬことが怖くなった」ので、治ったと感じたそうです。
精神疾患の患者さんのみならず、一晩でも眠れないと心配して、安定剤や睡眠薬を直ぐに服用する方がいますが、薬の副作用を考えれば、安易に薬に頼るのは厳禁でしょう。
二日や三日眠れなくても必ず眠れるものですから、心配は要らないのです。
どうしても解決できない時は、交感神経過剰による身体の緊張の性ですからこの療法を受ければ解決できます。
疲れが解消されれば簡単に症状は終息します。
しかし、薬の服用で解決しようと安易に考えると、深みにはまってしまい金縛りの状況に追い込まれてしまいますから注意が必要です。
なぜならば、Oさんは2年間の薬の服用で止めた時に、禁断症状が出なかったのは幸いでした。
長期に精神疾患の薬を服用している方が薬を減らしたり止めたりした時、ふるえや痙攣発作などの禁断症状が出て、不安感から薬の服用を断ち切る勇気が出ないことが多いからです。
終わりに、
心の問題は個々に違いがあり、体質もありますから一概に言えませんが、折角与えられた人生ですから、自分を大切にする生き方をすることでしょう。
そして、ゆっくり自分に合った生き方をする事です。
勉強とか仕事が自分に合っているかを検証する事も必要です。
病気の一番の原因は「頑張りが度を過ぎた時」或いは「我慢して我慢し過ぎた時」です。
心も身体も疲れすぎてしまうという事です。
平成21年6月
「統合失調症」を克服
市内から通われている30歳のKさんは生理痛が強くて、大学生の時から、時々私の所に通われていました。
今年の4月2ヶ月ぶりに来られましたが、いつもの手当てをされて帰えられました。何時も口数の少ない静かな方で、体調が悪いので悩んでいるのかなと言う感触を少し持ちましたが、本人から話が無いのであえて話はしませんでした。
5月下旬こられた時には、話したい事がある感じがしたので、何か変わった事がありましたかと伺うと、少しためらいながらも「実は困っていることがありまして」と話し始めました。
話の内容は次のようなことです。
「昨年2月にNPO法人の会社に勤めたのですが、会社の運営に疑問を持ったので6月に退職をさせてもらった。
同じように疑問を持っていた社員15人も同時に止めたのですが、給料の支払いをしてくれないので、仲間と労働基準局に相談して交渉してもらい10月に給料の支払いは受けたのですが、その後、退職した会社から新しい会社を設立したので是非勤めて欲しいと言う誘いがあったとのこと。
しかし、勤める気持ちが無いと伝えても何度も何度もしつこく誘いがあり困り果てていたところ、次第に恫喝されているような感じを持ち始め、熟睡ができない精神状態になってしまった。
自分では家族に普通の話をしたつもりだが、家族は異常を感じて精神科に強制入院を2月から2ヶ月させられてしまった。
最初の1ヶ月はしつこい誘いもなくなった安堵感から夜熟睡が出来るようになったが、3月に入ると昼間は眠くて眠くて眠れるのだが、夜になると異常に眼が冴えて眠れなくなり、便秘もひどく毎日下剤を使用する様になった。身体が強張り動くのが辛い。
食欲は異常にあり体重が6kgも増加、顔もむくみがひどくなった。
体調が悪いのは薬の影響と思い医師(女医)に薬を減らしてもらうように話したが、医師は強面に「自分の病気が分かっているの!」と一向に聞き入れてはくれなかったそうです。
そこで、3月一杯で退院したい旨、両親に哀願し了解をしてもらったそうです。医師はもう1ヶ月入院を勧めたが、このままでは自分がどうなってしまうのか不安だったので、強引に退院させてもらった。
退院後「薬」は飲みたくなかったが、家族にも強く促され止める事ができない。
「自分の精神状態は正常だと思うのだが、薬を服用していると、頭もすっきりせず、身体の調子も悪く元気がでない。どうしたら良いのでしょう。」と言う話です。
私が関わった精神疾患の患者さんの特徴は、身体の筋肉が硬いということです。特に背中から肩、首の筋肉は硬直しています。精神的に悪い方ほどこの硬直が顕著なのです。
この硬直は薬を服用している期間が長い人ほど強い印象を持っています。
精神疾患の真の原因は「肉体的疲れと精神的疲れ」が重なった時、そして責任感が強く、仕事などをキチンと処理しないと気持ちが落ち着かない性格の人に発症する割合が多いのです。また、周囲からはおっとりとした性格や几帳面な性格と思えない人でも、内面にデリケートな面を持ち、他人の言動に「トラウマ(精神的外傷)」を受けやすい人もいます。
Kさんは几帳面な方ですが、会社の運営に問題を感じて退職した後、給料の未払い問題で精神的に疲れたところに、言葉を交わしたくないと思っていた人物から、4ヶ月間執拗に再就職を迫られて、次第に怖いと言う強迫観念にさいなまれるうちに、交感神経が過剰になり、肩、首の筋肉が緊張して、脳細胞に栄養素を送る血管が圧迫され血流障害が起き、更に、交感神経の過剰で睡眠を促す副交感神経が働かず不眠に陥り、脳細胞の疲労から取り留めの無い言動を発するようになったのです。
この時点で、恐怖心を和らげる援助と身体の緊張を改善する療法を受ければ、簡単に症状は改善したでしょうが、そのような手当て法を両親も知る由がなく、ただ驚きと困惑の中で入院させるしか道が無かったのです。
そして精神疾患の薬の副作用が本症状に変わって現れ始め体調不調に陥っていったのです。
運が良かったのは、恐怖心が2ヶ月間の入院で和み、薬の持つ異常性を本人が判断できる状態であったことから、退院ができたこと。
そして私と言う健康指導家と縁があったことで人生を滅茶苦茶にする前に解決できたのです。
私は次のような指導をしました。
- 両親に精神疾患について理解していただいた。
- 身体の緊張を改善する重要性を説いた。
- 食事の指導をした。(マクロビオティック)
- 薬の副作用を学習してもらった。
- 心の有り様を話し合った。
そして5月下旬から手当を始めて、6月下旬には薬を止めることが出来、次第に元気になりアルバイトも始められるようになりました。
「服用していた薬の副作用」
- セロクエル「統合失調症薬」不眠・ねむけ・不安・過敏症・頭痛・めまい・けいれん・健忘・興奮・幻覚などの精神神経症状・パーキンソン症候群(ふるえ、筋肉のこわばり、よだれ、歩行障害など)、アカシジア(静座不能)、ジスキネジア(構音障害、嚥下障害)ジストニア(けいれんせい性斜頚などの錐体外路症状)、貧血・白血球などの血液検査の異常・頻脈・動悸・血圧低下・高血圧・除脈・不整脈・心電図異常などの循環器系異常・肝機能検査値の異常・便秘・食欲不振か亢進・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢などの消化器系症状・視力障害・調節障害・結膜炎・排尿障害・尿失禁・頻尿・月経異常・甲状腺疾患・高プロラクチン血症・射精障害・発疹・こうはん・かゆみなどの過敏症状・去痰困難・鼻炎・せきなどの呼吸器系症状・倦怠感・口内乾燥・発汗・発熱・体重増加・むくみ・ほてり・脱力感
* 重大な副作用・・「悪性症候群・・だんまり・強度の筋肉のこわばり、脈拍および血圧の変動・発汗・発熱」「口周部の不随運動」「高血糖・糖尿病性昏睡・糖尿病性ケトアシドーシス「肝機能障害・黄疸」「黄紋筋融解症」「けいれん」
*ジプレキサ「統合失調症薬」副作用同じ
*ワイパックス「抗不安剤」めまい・ふらつき・眠け・頭痛・不眠・複視・焦燥感・健忘症・黄疸など肝機能検査値の異常・血圧低下・動悸・立ちくらみ・口の渇き・吐き気・嘔吐・食欲不振・腹痛・腹部の不快感・便秘・下痢・発疹・かゆみ・脱力倦怠感・筋緊張低下症状・白血球減少症・貧血・発汗・むくみ・性欲減退・尿失禁・意欲減退・頻尿
* 重大な副作用・・薬物依存症・急に中止する事のより、けいれん発作/
やふるえ・不眠・不安・幻覚・妄想などの禁断症状・薬剤の違いで興奮・錯乱症状・アナフィラキシー様症状
このような薬の持つ副作用の総てを医師も薬剤師も通常では説明してくれません。悪い言い方をすれば、隠蔽していると言う事になります。
本当のことを話したら、多くの患者さんは服用を拒絶する恐れがあるからです。
精神疾患の患者さんの中には、薬の服用で体調不調に陥り、入院生活から脱する事のできない方が、全国には大勢いることが推測できます。
怖い事です。
病において、天国と地獄の分かれ道は、患者側が如何に病に対する正しい認識を持っているかということになります。
平成28年7月 高橋健康指導センター
℡ 026-224-9070