「メニエール病から起こった、こみあげる不安感の克服」
令和3年7月31日市内から来られた由香里さん36歳は、5月頃から、耳の閉塞感・耳鳴り・めまいが酷くなり、耳鼻科を受診、メニエール病かもしれないと、薬服用を勧められ、その結果により、更なる検査をすることになると伝えられました。
薬を服用している中で、更に「胸のドキドキ感・孤立感」を感じるようになると、一人でいると不安感に襲われ、そわそわして落ち着かなくなり、一人では過ごせない状況に陥ってしまいました。
職場に行くと仲間がいるので、どうにか落ち着くのですが、家に帰るとご主人が帰宅するまでは不安感が酷くどうしようもないので、仕事が終わると幼稚園に子供を迎いにゆき、母のいる少し離れた実家で過ごす、そんな生活を2か月ほど続けます。
そのような中で知人に当センターを紹介されて来られました。
当センターの指導法は、先ず、体の歪みをチェックし、緊張している筋肉群を見つけ緩めることで、血液・リンパ循環、神経の流れを改善して「治癒力(治る力)」を高めることです。
そして過去からの体調変化や生活習慣の聞き取りをして、現在の不調原因を特定することで、不調克服の生活改善指導も併せておこなっています。
では、背後からの姿勢を見てみましょう。
7月31日の初回写真では左肩が下がっているため、首周りは左の衣服が開いています。
症状がほぼ克服した9月14日の写真では、右肩衣服が少し開いていますから、歪みはまだ残っているのです。
本年6月の写真では歪みが改善されたので、両肩周りが左右対称です。
由香里さんは平成3年7月31日から、週一の施術で9月14日まで8回の施術で上記の症状の中で、胸のドキドキ感が少し残っているのみで、一番苦しんだ不安感は消失しました。
9月19日の休みに「稲刈り」の手伝いをした後、左耳が詰まってしまいましたが、23日に施術を受けるとその場で解消しました。
尚、当日骨盤は右腸骨が少し上方変異していました。
[補足ですが、令和4年6月9日の写真を掲載しましたが、由香里さんは昨年10月以降症状は安定しましたが自分の体質を理解して、身体のメンテナンスのために月1回の施術を継続しています。]
さて、由香里さんは骨盤に変異が起きると、即内耳に問題が起きるのです。
では、令和3年7月31日の骨盤の状態を説明しましょう。
初回時の骨盤は施術前を見ると、骨盤模型の上の赤線に画板を当てると、右(右腸骨上方変異)腸骨が上がっています。
写真下は座骨に(模型の下の赤線)画板を当てると、左座骨が上がっています。
つまり、左右の骨盤が変異しているということですから、背骨が捻じれ曲がるために、肩の高さが不揃いになるのです。
施術をすると骨盤は整いますから、この状態が継続できると身体の歪みは解消されてくるのですが、骨盤が厄介なのは、骨盤が歪んだ状態で長い時間経過すると、骨盤を正しても直ぐに骨盤が歪んでしまうのです。
これは骨盤を整えている「筋肉群」が弾力を失い、硬直してしまっているからです。
この硬直が解消されるまでは、一定の間隔で施術を繰り返すことが必要なのです。
次に、由香里さんの「こみあげる不安感」の原因は何であるのか考察してみます。
由香里さんはメニエール病の特徴である「めまい・耳鳴り・耳の閉塞感」に見舞われました。
そして次第に「胸の動悸・不安感」に苛まれました。メニエール病に罹患すると体質的な違いで、不安感など不安障害を起こす人もいるのですが、医学的には原因不明と いわれています。
では、耳の働きについてみてみます。
耳の役割は音を聞き取ることが一つと、身体の平衡感覚を司って、身体の適正な姿勢を保つ働きを持っています。
音を聞き取り、その音を電気信号に変えて大脳に伝達する組織は「鼓膜・ツチ骨・アブミ骨・キヌタ骨」で音を増幅させ、リンパ液で満たされている「蝸牛」内で、更に増幅された情報として「蝸牛神経」から、大脳へ伝えられます。
平衡感覚は三半規管と前庭組織の働きで、平衡感覚を感知して延髄に伝えられ姿勢調節が行われますが、眼球の動きにも影響を与えます。
このような役割を持つ組織ですが、この組織が健全であればメニエール病の様々な症状は現れないはずです。
つまり、これらの組織の働きが低下する原因は、由香里さんと接して理解できたのですが、現代医学が見落としている「骨盤」の歪みが上半身の歪みを助長して、肩首の筋緊張により頭部への血液・リンパ液・神経伝達を障害したことから起きたのです。
その証拠に、骨盤を正し、肩・首の筋緊張を緩める施術と近赤外線を照射したことで症状は消えてしまったからです。
由香里さんは、中学・高校とテニスに没頭していたと話してくれましたが、持って生まれた骨格はしっかりしていて、肩・腕の筋肉は鍛えられていました。
そしてその後は運動らしきことはしなかったそうですが、20代初めから年に1回程は「めまい」に見舞われることがあったとのことです。
既にそのころから、徐々に体の歪みが進行し、鍛えられた上半身の筋肉群の緊張が少しずつ高まっていったのです。ストレッチなど筋肉を緩める運動など行っていれば防げたのではないかと考えます。
平衡感覚機能の低下は「めまい」を引き起こしますが、酷くなると吐き気を伴いながら、精神的にも憂うつ感が増して睡眠障害にも見舞われると、脳神経細胞は疲れて「いら立ち・動悸・そわそわ感」、そして神経が過敏になり、外界のあらゆる刺激に「息苦しさ」を感じるようになり「不安感」が常にこみ上げてくるのです。
これらの症状は薬を使うことでなく、身体の歪みを正し、筋緊張を解放させる療法を継続すれば解決できるのです。
現代医学は万能ではないことを知り、医学の世話になる病と、そうでない病の見分けを間違えると、生涯不遇な生活を送る羽目になることを、現代人は肝に銘じるべきなのです。
身体の不調でお悩みの方、私の「健康相談」を受けて、違う角度から自己の病を考えることをお勧めします。
令和4年6月下旬 髙橋健康指導センター 健康指導家 高橋純一
※「フワフワ感」に悩まされ克服した動画もご覧ください。