ご主人と二人暮らしの久子さんは昭和12年生まれの85歳。
令和4年6月までは体調もよく、週1回は社交ダンスを数年間続けてきました。
社交ダンス以外にも仲間との談笑や旅行、身近な名所旧跡の散策、食べ歩き、お喋りの集まりなど、健康に不安のないことで心和む日々を送っていました。
家では主婦として、食事の用意や洗濯掃除、そして庭が広いので草取りなども精を出してやっていました。
思わぬ事態は突然訪れました。
令和4年6月下旬、雨が降ると雑草が勢いを増してはびこるので、草退治を怠ると大変です。
労力のいる根気の作業ですが、どうにかやり終えた夜、右側臀部から足先まで、特に右足「ふくらはぎ」に痛みが出てきました。
何の痛みだろうと思いながら食事の用意をして、食卓の椅子に座って食事をしようとすると、右足、特に「ふくらはぎ」に強い痛みが出て椅子に座っていられないのです。
どうしたものかと姿勢を色々変えてみると「立っていることと横になること」で、痛みが出ないことが分かりました。
早速整形外科を受診して通いますが痛みは消えません。
車に乗って椅子に掛けているだけで、直ぐに痛みが走るので医者通いも困窮した日々でした。
一か月が過ぎたころ、当センターに通っている妹さんから話を聞いて、8月2日に、当センターに来られました。
初回の体の歪みをみてみます。
Aは後ろ側からみると左肩が下がり前方に捻じれが出ています。
また、腰を起点として背骨が右に僅かに傾斜しています。
Bをみると、左肩下がりがよくわかります。そして顔は右に捻じれながら傾斜しています。
この上半身の歪みは、Cの骨盤の歪みの影響です。
骨盤模型の上の赤線が「腸骨」の上端で、画板を左右同じ位置に置くと、右がかなり上がっています。下の赤線は左右座骨ですが、左上がりです。これは「骨盤前側模型」の腸骨と仙骨の間、左右に存在する「仙腸関節」にヅレが生じているために左右腸骨が捻じれて、このような歪んだ骨盤になっているのです。
人体の土台骨盤の歪みが柱である「背骨」を歪めることで、このような姿勢になっているのです。
久子さんは椅子などに座ると、直ぐに右側臀部から足首まで強い痛みが出て座っていられない原因は、骨盤が歪んで右側の下肢を支配している「坐骨神経」が右側の筋肉に圧迫され痛みを引き起こしているのです。
その証拠に立っているか、寝て横になると、筋肉が緩むことで坐骨神経を圧迫しないからです。
この痛みを克服するためには歪んだ骨盤を正して(Dは正された骨盤)、右側筋肉の緊張を緩める施術を繰り返すと、次第に痛みは軽減されてくるのです。
久子さんは8/2から1週間に1回の施術を受けることで次第に痛みは軽減されてき
ましたが、9/6、痛みが再燃したといって来られました。
骨盤をみます。
A・Bのように骨盤が歪んでいます。歪むことで即痛みが出るのです。
このようなときは必ず原因がありますから、質問します。「痛みが出る前、どんなことをされましたか」、すると、「買い物に徒歩で行って両手に買い物袋を提げて数十分家まで歩いた」と言われたので、「痛みが消えていても一月ほどは子供さんなどにお願いすることです」と指導しました。
そして9/17には、「前回施術していただいた後からは痛みが完全に消えました」との報告です。
9/24昨日から少し右足が重くなってきた。原因は20分ほど歩いたとのことですから、10分位から徐々にやるように指導し施術後は楽になる。
10/1昨日は友達と4時間ほど座って談笑したら痛みが出て来たとのことですが、施術後即落になる。
10/4足浴をやったら臀部が痛くなった。施術後即楽になる。
10/18、10/4以降痛みは出ていないとのことです。
久子さんが理解したことは、自分の体力でやっていいことと、やると痛みが再燃することの内容が分かったことです。
そのことを守りながら生活していくと、右座骨神経痛は乗り越えられるということです。ただし、85歳という年齢で骨盤を支える筋肉群が弱ってきているという体質を認識して、骨盤をリフレッシュする施術を適度の間隔でされることを伝えました。
11月以降は月に2回程度を繰り返して、今日は令和5年4月です。
辛かった坐骨神経痛、特に右ふくらはぎの痛みは昨年10月以降出ていませんが、時々右臀部に違和感がでることはあります。
でも定期的に身体の手入れしていますから、直ぐに違和感は解消されています。
座骨神経痛は神経痛の中でも非常に厄介な神経痛です。
痛みが酷くなると薬を服用しても、ブロック注射をしても痛みが消えません。
MRIを撮っても腰椎に異常がなければ、医師も手のほどこうしようがないのです。
このような坐骨神経痛は、休養しながら骨盤「仙腸関節」を整える施術を繰り返していると、次第に骨盤が変異しなくなり、下肢の筋肉に無理がかからなくなると痛みは和らぎ、そして消えていきます。
【上は右側の骨盤と下肢の解剖図です。
坐骨神経は腰椎と仙骨からの神経が一つになって、大座骨孔という穴から、お尻の筋肉に出て、足先まで神経を延ばしています。
久子さんは「ふくらはぎ(腓腹筋)」の痛みで苦しみました。
これは、骨盤の歪みのために、腓腹筋が疲労して神経を締め付けたことで起こった症状ですから、骨盤の歪みを正す施術を繰り返して、腓腹筋の疲労が取れると神経を締め付けなくなることで、痛みが消えたのです。
尚、坐骨神経は下肢に下る中で、総腓骨神経、脛骨神経などと分岐することで名称が変わります。】
しかし、私の体験でも「我慢できない」人が多いのです。1週間2週間で効果が出ないと諦めてしまう人もいます。
仕事をしながら治そうとすると、身体に無理をかけながら治すわけです。
治るとは「自分の体の筋肉が、痛みを出さない弾力ある筋肉に変わることなのです」。
出来る限り体に負担をかけない工夫をしながら、施術を受けていると快方に向かうのです。
つまり、人間の肉体は骨盤が歪むことで被る「筋肉疲労」が、坐骨神経を含めて多くの痛みの一つの原因です。
一つと言ったのは、複合して起こる痛みもありますが、坐骨神経痛は骨盤の歪み「仙腸関節のヅレ」が一番の原因ですから単純なのです。
後は、原理を理解して「耐える」ことです。
病とは、己の生活環境の間違いが、時間の経過の中で「結果」として表れてくるのですから、己の生活環境を精査して、正しい手当と生活の質を変えることで克服が出来るのです。
「令和5年4月、悩みが解消されたので一緒に通う患者さんと記念写真を撮りました」
★ 補足 臀部から下肢に痛みや痺れなどがでる症状に「椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・脊椎分離症・脊椎すべり症」などもあります。これらはMRI撮影をすることで確認できますが、初期であれば、「手術」することなく、骨盤を整える施術をすることで克服が可能です。なぜならば、これらの病は「仙腸関節」のヅレガ根本原因だからです。
令和5年4月 髙橋健康指導センター 高橋純一
※ 身体の悩みをお持ちの皆さん、一度私の健康指導を受けてみませんか「健康相談(施術も含む)」2800円で受けることが出来ます。
要予約ですからお電話ください。☏026-224-9070
Eメール j-t@mx1.avis.ne.jp